「元慰安婦に一時金を払うというが、元慰安婦の大半は日本人女性だ。アジア女性基金は日本人元慰安婦についてはどう考えているのか」 村山氏は「うっ」と詰まったきり絶句し、何か言葉を探しているようでした。私はじっとそれを待っていたところ、それまで黙って聞いていた和田氏がいきなり、 「ちょっと待って! 今の質問はなかったことにして」 と介入してきたのでした。私はそれはおかしいと思ったのですが、和田氏の不規則発言はとにかく、村山氏が「……」と何も答えないので、そのやりとり自体が成り立たず、短いインタビュー記事には経緯を載せられませんでした。 一方で、村山氏に「国交のない北朝鮮の慰安婦問題についてはどう取り組むか」と、やはり基金の対象外の北朝鮮のことを聞くと、 「日朝国交正常化の最大の課題は過去の清算だ。単に植民地支配に対する請求権だけではなく、強制労働や慰安婦の問題などがある。北朝鮮の場合は、国の体制からいっても、問題はすべて一括して政府間の正常化に向けた話し合いの中で解決するんじゃないか」 などとスラスラ答えるので、ああ、この人たちにとって自国民である日本人慰安婦の存在はタブーになっているか、あるいははなから何も考慮していないのだなということが分かりました。前原氏の、安易に韓国にだけ何らかのサービスをしておけばそれで済むというかのごとき論調を聞いて、ふと10年以上前の記憶がよみがえった次第です。